オーナーブログ
2024年07月09日
樹木医日記 ~ I wonder ~ ㉒
樹木医日記~Ⅰ wonder~⑰で書いたサクラを枯らせてしまうクビアカツヤカミキリの対策についての続きです。
3月に幹の中にいる幼虫を退治するための樹幹注入をおこないました。
しかし、5月頃からまた幼虫が幹の中でサクラの材を食い荒らす痕跡があちらこちらから見られました。
樹幹注入はサクラが根から吸い上げる水の流れにそって薬剤をサクラの体に巡らせていくのですが、自然圧で巡っていくので、時間がかかるようです。半年くらいかけて幹の内部まで浸透していくようです。
また、樹皮近くを食い荒らしている幼虫に対しては、幹に薬剤を濃いめにかける樹幹散布が有効です。
5月末に1回目の樹幹散布をおこないました。
また、写真のように中から出てくる成虫が周りへ飛び立たないように、ネットも巻いています。
首が赤いので、この名前。
触角が短いので、メスのようです。
6月中頃、神社の神主さんが成虫を見つけて退治してくれました。
動きはゆっくりなので、わりと捕まえたり退治できます。
薬剤やネットなどいろんな対策があり、どれも有効なのですが、このように毎日のように見てくださる方々に
異常をいち早く発見していただいて、被害が広がらないように多くの方に知ってもらうことがとても大切です。
話に聞いていますと、神社のサクラたちは樹齢100年近いようです。
クビアカツヤカミキリに負けないで来年もその先も元気でいてほしい。
私たちにできることを模索しながら、これからも見守っていきたいです。