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2025年05月02日
樹木医日記 ~ I wonder ~ ㉜
4月も下旬ですが、少しだけ花が残っていました。
少し前から気になることがあったので、思わず写真を撮ってしまいました。
オオシマザクラと言えば、花は白に近い色です。
ところが、写真の下の方に映っている花のように濃いピンク色をしたサクラを時々見かけていたのです。
白い花とピンクの花。2色咲きになったの!?と不思議に思ったのです。
オオシマザクラだけではなく、ソメイヨシノにも色の濃淡があるようです。
花びらの色は植物がアントシアニンという色素を合成することで色づきます。
アントシアニンは花びらを紫外線などから守るために作っていると言われています。
それが、今年のように朝晩の気温が低いとアントシアニンの分解がゆっくりおこなわれ、結果、花の色が濃くなって散っていくことになるのです。
光や気温を感じて、花の色を薄くすることも濃くすることも、植物が生きていくうえで備えているものなのですね。
新芽の色、花の色、葉の大きさ、落ちる葉、すべてに意味があるのだと知るたびに植物はすごい!と思い、愛おしく思います。