オーナーブログ
2023年10月14日
樹木医日記 ~ I wonder ~ ⑫
サクラのソメイヨシノの写真です。
大阪の堺市で弱ってきているソメイヨシノに出会いました。
原因は、幹や根元にたくさん出ているフラス(木くず混じりの幼虫のフンのこと)がヒントです。
外来生物のクビアカツヤカミキリの幼虫に体の中を食べられて、少しづつサクラが弱ってきて、いずれ枯れてしまうのです。
幼虫は2~3年くらいで成虫となりますが、その間に年々サクラは弱っていくのです。
木の幹に薬剤を注射のように注入することで幼虫を退治する方法もありますが、このサクラのようにあちこちの幹が食べられていると注入できる健全な部分を探すのがむずかしいです。
私はこのサクラにはなるべく早く根元から20センチくらいのところで切ってしまうことが良いと思います。
サクラを切ってしまうなんて!と思われるかもしれませんが、サクラは根元から芽を出すことが多い木です。
生きてサクラに力のあるうちに、切って根元から新しい枝を育てる。
更新がサクラには有効な場合があります。
外来生物のクビアカツヤカミキリがあちこちでサクラに被害を及ぼしていますが、サクラにも自分を守り生き抜く力が備わっているように思います。